閲覧場所の確認・変更


■ホームディレクトリ

 PuTTY(パティ)などでLinuxサーバーにログインした直後の閲覧場所を"ホームディレクトリ"と呼ぶ。絶対パス(フルパス)表記では、/home/ユーザー名/と表示される。ホームディレクトリはユーザー名(通常、ローマ字表記)のディレクトリを指すが、その親ディレクトリであるhomeディレクトリは、各ユーザーの"ホームディレクトリ"が格納されるディレクトリであり、"ホームディレクトリ"ではないので注意すること。

※LinuxでのディレクトリはWindowsでのフォルダと同義です。

 

■pwdコマンド

 現在の自身の閲覧場所をカレントディレクトリ(カレント・ワーキング・ディレクトリ、作業ディレクトリ)と呼ぶ。pwdはカレントディレクトリを絶対パスで確認するコマンドです。pwdはprint working directoryの略です。Linuxへのログイン直後は、ホームディレクトリから始まるが、これは同時にカレントディレクトリでもある。

 

■cdコマンド

 cdは現在閲覧のディレクトリから別のディレクトリへ閲覧場所を変更するコマンドです。cdはchange directoryの略です。cdコマンドの後ろにスペース入れて変更したい閲覧場所(ディレクトリのパス)を入力して実行(エンターキー)します。閲覧場所のパス表記には、絶対パスと相対パスの二種類の作法がある。

 

■cd:絶対パスでの指定

cd /home/ユーザー名/document/project_001

 絶対パスでは、ルートディレクトリ(最左列の/)を基点とし、より下層のディレクトリを/で区切ることで完全な住所(パス)を指定する。上記コマンドにより、project_001ディレクトリに変更できる。なお、チルダ(~)は、ホームディレクトリ(絶対パスでは/home/ユーザー名/)を簡略的に意味するため、以下のように書いても同じです。

cd ~/document/project_001

また、ホームディレクトリに戻りたいのであれば、単にcdとするか、cd ~とすればよい。

 

■cd:相対パスでの指定

 相対パスでは、カレントディレクトリを基点として目的のディレクトリの位置を特定する。現在のカレントディレクトリをホームディレクトリ(/home/ユーザー名/)として解説する。

 

(i) 同じ階層(/home/ユーザー名)の別のユーザー(user_A)のディレクトリに変更

cd ../user_A

 ドット2個(..)は、カレントディレクトリの親ディレクトリ(一つ上の階層)を簡略的に意味する。つまり、上記コマンドは、カレントディレクトリから親ディレクトリに上がり、子ディレクトリのuser_Aに降りるという経路で閲覧場所の変更先を指定している。なお、上記コマンドのように一度のコマンドではなく、以下のように二回にコマンドを分けても同じ結果が得られます。

cd ..

cd user_A

 

※なお、通常、別ユーザーのホームディレクトリには閲覧制限があり、管理者からパーミッション設定(chmodコマンド)で許可されないと閲覧等はできない。

 

(ii) 孫ディレクトリ(2つ下の階層)のproject_Bのディレクトリに変更

cd document/project_B

 カレントディレクトリ(ユーザー名)が基点なので、カレントディレクトリ直下のdocumentディレクトリから入力すればよい。

 

(iii) 上のディレクトリに変更

cd ../../..

 上記コマンドは3階層ほど上のディレクトリに行った場合です。あまりにも細かく深い末端ディレクトリに行ってしまうと、素早く上の階層に這い上がりたい時に、こうしたコマンドは利用される。

 

(iv) 以前のディレクトリに変更

cd -

 あるディレクトリ間を行き来する場合、上記コマンドが利用できる。また、Linuxでは十字キーによって過去の入力コマンドを再利用できるので、その方法でも以前の閲覧ディレクトリに変更できる。