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人物伝掲示板_マーコウィッツの博士論文テーマ探し


■博士論文テーマの着想

ゲーム理論を学んでいたハリー・マーコウィッツは博士論文のテーマを探していた。相談のため指導教授ヤコブ・マルシャック教授のもとを訪れた。忙しい指導教授を待つためマーコウィッツは待合室で座っていた時に年配の男性(株のセールスマン)と雑談を交わした。マーコウィッツは「博士論文のテーマを探している」と話したところ、男性から「数学的な専門知識を株式市場に応用したらどうか」と提案された。

■経営学大学院へ進学し、博士論文を執筆

待合室に一緒にいた男性(株のセールスマン)の話に触発され、指導教官マルシャック教授に「投資理論」を学びたいと申し出た。するとケッチャム教授の経営学大学院に行くように…と勧められた。その後マーコウィッツは経営学大学院でワイゼンバーガー著のポートフォリオに関する本と出合い、投資会社が大規模なポートフォリオを作って株式運用を行っていることを知った。続いてジョン・バー・ウィリアムスの「投資価値の理論」を読んだところ、株価が期待リターンだけで決まるなら、最も期待リターンの高い1銘柄へ全額投資すればよいと考えたが、実際の投資会社は大規模なポートフォリオを組んでいる事実と矛盾を感じた。マーコウィッツは、期待リターンに加えて投資判断の評価軸として新たにリスクを考慮する必要があると気づいた。

博士論文の審査はミルトン・フリードマンを中心に行われ、フリードマンから経済学の論文ではないから経済学の博士号は与えられないと言われた。しかし教授陣の議論の末に無事に経済学の博士号を取得できた。

■博士取得後の勤務先

博士論文を提出後、マーコウィッツはロサンゼルスの隣町サンタモニカのランド(RAND)研究所に勤務した。