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年表_発明/普及_B1001BC


■紀元前1001年以前(~-1001)

西暦 人物 国(場所) 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
-13000     氷河の後退が始まる  
-12000    

農業のはじまり

※気候の安定化

比較的温暖な完新世(約11700年前)に入り、気候も安定し始めた。世界各地で狩猟採取していた人々は農耕と家畜の世話を始める。野生種よりも飼育しやすい羊、山羊、豚、牛を作り出し、それら家畜は天敵に守られながら人から与えられる餌で育った。代わりに人々は家畜の食料(肉、乳)、衣服、労働力を利用した。

遺伝子と考古学の研究が進むにつれ、その伝達経路が明らかにされつつある。植物の栽培品種化と動物の家畜化が最初に行われた時期は約12000年前~約4500年前の間で、場所は肥沃な三日月地帯(中近東)、中国、南アジア、地球海沿岸、エチオピア、メソアメリカ、アンデス、北米東部、ニューギニア、アマゾンなど。

【農業の利点】

農業により一ヵ所で集中して沢山の食糧を生産可能になり、貯蔵すれば不測の気候変動にも耐えられた。定住生活が始まり町や都市が形成され始める。女性は子供を連れて移動する必要がなくなり、多くの子供の世話が可能になった。また柔らかい食べ物で幼児の離乳時期が早まった。

【農業の弊害】

定住生活は資産(貯蔵食糧、余剰食糧など)の保有者・管理者が生まれ、貧富格差による社会階層が出来始める。また定住生活は自然への負担(森の開墾、農地の地力(養分)低下、土壌汚染)も大きい。人々の健康面では結核、麻疹(はしか)、天然痘、インフルエンザなどの病気の脅威や、家畜による病原菌(伝染病)の拡大が懸念される。肉や木の実を主食とする狩猟時代に比べて、農業によりデンプン質の穀物が主食となり、カロリー摂取量は十分だとしても栄養状態が悪化した。虫歯が増え、鉄分不足になり、平均身長も低くなった。早く乳離れした幼児は、タンパク質不足によるクワシオルコル(西ガーナの言葉)という栄養失調が原因の腹が膨れる病気を引き起こす。

-1001