世界の総人口70億人のうちキリスト教が23億人(33%)、イスラーム教が15億人(21%)、合わせて38億人(54%)が一神教。
ユダヤ教 | キリスト教 | イスラーム教 | |
唯一の神 | ヤハウェ | ||
提唱者(預言者) | モーセ | イエス・キリスト | |
ユダヤ人の大工の家に誕生。形式的な律法の順守に意味はなく、信仰により救われると説き、律法を守れていない貧しいユダヤ人の支持者を増やした。また信仰さえあれば異邦人(非ユダヤ人)も救われるとして、閉鎖的な民族宗教だったユダヤ教を世界宗教にした。一方、律法・選民思想(ユダヤ人のみ救われる)を重視する正統派ユダヤ人に敵視され、告発されてイエスは捕まった。当時、ユダヤはローマの属州なので所詮、ユダヤ人同士の争いでしたが、正統派ユダヤ人はローマ総督を言いくるめてイエス処刑に導いた。 | |||
誕生の背景 |
イエス処刑後、母マリアは息子イエスを抱えて途方に暮れていたが、金持ちのユダヤ人が憐み、葬式を挙げようと遺体を預かった。その後遺体が消えて、弟子たちの間で「イエスの復活」の話が生まれ、イエスはメシア(キリスト)、いや神だったんだ…と話は膨らみ、キリスト教が誕生した。 イエスは自身をメシアとも神とも言ったわけでなく、ユダヤ教徒からしてもイエスはメシアでも神でもない。この点はキリスト教とユダヤ教の対立の最大の理由。 |
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当初の信者 | ユダヤ人 | 貧しいユダヤ人など | |
中東を彷徨った少数民族(ユダヤ人)は、常に他民族に虐げられ、ある時代にはエジプトに捕らえられ、奴隷にされていた。 | 貧しいユダヤ人は必ずしも律法を守っていなかった(豚を食べる、土曜日も働く)が、キリストは律法ではなく、信仰(神を信じる)により救われるとし、 | ||
その後の信者 | ローマ人 | ||
ユダヤを支配するローマ帝国は多神教であったので、一神教のキリスト教は迫害を受けた。しかしキリスト教徒は増え続けたため、ローマ皇帝は迫害を諦め、むしろ権力の支えに利用しようと考えた。ミラノ勅令(331年)に皇帝コンスタンティヌス1世はキリスト教を公認し、その後テオドシウス帝がキリスト教を国教とし、ギリシアより受け継いだ多神教を禁じた。 | |||
重要書物 |
旧約聖書 |
新約聖書 | |
ユダヤ人の神話・苦難の歴史と、神が定めた生活の掟(律法)、どのようにしてユダヤ人は救われるかが書かれている。モーセの十戒に加えて、救われるために必要な細かなルールが書かれている。 ・牛は食べていいが、豚は食べてはダメ ・安息日(土曜日)は休む(働かない) |
イエスの一生を弟子たちがまとめたものが新約聖書。キリスト教徒とは旧約聖書と新約聖書を両方とも読む。 | ||
重要イベント |
■出エジプト 指導者モーセによりユダヤ人はエジプトを脱出。モーセはシナイ山で神ヤハウェに導かれて、石板「モーセの十戒」(神ヤハウェとの契約)を持ち帰った。十戒には救われるルールが刻まれている。 ■バビロン捕囚 新バビロニアに50年間にわたり捕まっていたユダヤ人の苦難の物語。ペルシアが新バビロニアを滅ぼし、解放される。 ■選民思想 ※ユダヤ人差別の源泉 ユダヤ人に苦難(試練)が降りかかるのは、神に選ばれたからだ。神が与える試練に耐えれば、神はユダヤ人だけを救い、異民族は全て滅ぼすだろう。 ■救世主の登場 ■最後の審判 |
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救われる行い |
律法を守る |
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恩恵① | 救世主が現われる | ||
ユダヤ人が他民族に虐げられた時に、ユダヤ人を救う英雄(メシア)が現われ、ユダヤ人の王となって敵を倒す。 ユダヤ人の言葉(ヘブライ語)で救世主とはメシアであり、ギリシア語ではキリストと呼ぶ。ユダヤ教ではメシア(=キリスト)は何人もおり、実在したユダヤの王であるダヴィデ王、ソロモン王もメシアと呼ばれた。 |
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恩恵② |
最後の審判 |
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世界には始まりと終わりがあり、世界の終わりには神ヤハウェが現われ、全人類を裁きにかける。律法を守った者(ユダヤ人に限定)は天国に導き、異教徒は地獄に落とす。 |