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哲学系掲示板_社会体制の定義


解説
都市

封建制では、農民は荘園内の畑で領主に納める年貢(農産物)を作る。納める年貢以上に農産物(余剰生産物)ができると、農民はそれを別の商品に交換する場として、荘園とは別に都市が生まれた。都市では商業市場が発達し、手工業者の同業者組合(ギルド)が発達する。さらに貨幣経済が発達する。なお貨幣経済の発達には、十字軍の遠征が最大の要因となる。

※十字軍の遠征は、封建領主と教会(国王以上の権利を持つ封建領主)の没落の原因にもなった。そもそも封建制では領主は国王に対して軍事奉仕をするためで、戦があれば出陣するため。戦による領主の死亡や消耗は、封建制度の崩壊にもつながる。

   
解説
封建制

主君(国王)が家臣に恩恵的に領地を与え(または貸出し)、そこに農民を住まわせて、農民から年貢を吸い取る社会・経済システムを指す。なお領地を与えられた家臣は主君(国王)に対して軍事奉仕をする。主君(国王)が与えた領地に対して不入権(荘園内への立入禁止権)を認めた頃から徐々に私領化し、ヨーロッパ各地の荘園はその領主が支配する独立国家の様相を呈し始めた。

荘園は、農民をその土地に縛りつけて、年貢を取り立てる独立国家と見なせる。年貢を納める農民は領主から保護されつつも田畑の勝手な売買は禁止され、国境には農民の逃亡を防ぐ関所が設けられた。

資本主義が栄える前の世界は、日本でもヨーロッパでも基本的に封建制だった。日本では12世紀、源頼朝から始まり江戸時代の末まで続く、武家社会を支える制度だった。ヨーロッパの封建制は最も古く、8世紀頃から14世紀まで続いた。

封建制のもとでは、荘園内は基本的に全て畑であり、自由な商売は禁止されるため、商品経済(市場)は発達せず、貨幣経済も育たない。農民は農業中心の自給自足の生活をする。