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見聞語録_れ_恋愛


番号 語録 文献
001

■過去に執着しない

「概して私は、作り上げてしまった作品には、かなり冷淡な方だった。いつまでもそれに執着しないで、すぐに、新しい作品のプランを練った」

「私も人間である以上、人間としての欠点や弱点を持っているから、書いたものにもそれが現われざるを得ない。しかし私は自己の形成に真剣だったし、たえず自己の改良を目指して働いてきたおかげで、着実な進歩を遂げてきた。私がとっくに清算している何らかの欠点を見つけては、よく私を非難したものだ。こういうお人よしの連中は、一番、無害な敵と言えよう。何里も先を行く私の後ろから、矢を射かけてきたのだからね。」

失恋は、観念から言えば、もう作り上げてしまった作品、それ以上進まない作品である。…恋も一つの作品として見て、終わったら冷淡になることだ。…新しい作品、すなわち新しい恋のプランを練れば、執着しないでいられるはずだ。

『座右のゲーテ』

齋藤 孝

※『ゲーテとの対話 上』p139

エッカーマン