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見聞語録_ち_中国


番号 語録 文献

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■中国の意味

「中国」とは「世界の中心」、「中華」とは「世界の中心の文明地帯」を意味する言葉で、具体的には漢字・漢文を使用する地域のとこです。特定の民族を表す概念ではありません。

漢字・漢文を生み出した民族ー漢人(漢民族)がその中核ですが、異民族も度々中国を征服し、中華文明を受容してきました。

「世界史で学べ! 地政学」

茂木 誠

002

■北方民族と中国王朝

秦の始皇帝による最初の統一から清朝最後の宣統(セントウ)帝まで、2100年続いた中国王朝(秦・漢・隋・唐・宋・元・明・清)のうち、漢民族が建てたのは秦・漢・宋・明だけです。隋・唐の支配階級は、鮮卑(センピ)という遊牧民族でしたし、元はモンゴル人、清は満州人が建てた王朝ですから、2100年のうち約半分は北方民族が中国を支配したのです。

「世界史で学べ! 地政学」

茂木 誠

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■中国共産党のイデオロギーとしての中華民族

少数民族問題に頭を抱える(中華人民共和国(1949年に建国)を所有する)中国共産党政権は、漢族・モンゴル族・チベット族・ウイグル族・満州族…の上位概念として「中華民族」を定義しています。この考え方によると、モンゴル帝国を建てたチンギス・ハンも満洲人だった清のヌルハチも「中華民族」となり、モンゴルのユーラシア征服は、「中華民族のユーラシア征服」となるのです。中国の学校教育では、そのように教えています。

ロシアもモンゴルに征服され、その影響を受けましたが、チンギス・ハンを「ロシア民族」とはいいません。

中国共産党政権は、中華人民共和国の領域を歴史的な中国と同一視し、チベットやウイグルの独立を認めない、と主張します。しかし、チベットやウイグルは、長く独立を保っていた民族なのです。したがって漢人の居住地域を「本来の中国」と考えるべきです。

「世界史で学べ! 地政学」

茂木 誠