· 

見聞語録_け_現実主義


番号 語録 文献

001

■現実主義と地政学

世界史を正義の実現と見る「理想主義」とは真逆の立場を、「現実主義(リアリズム)」といいます。「歴史には正義も悪もない。各国はただ生存競争を続けているだけだ」という見方です。地政学(ジオポリティクス)は、リアリズムの一つです。国家間の対立を、地理的条件から説明するものです。

敗戦後の日本では地政学の研究自体が禁じられ、タブー視されました。代わりに山川教科書のような(戦犯法廷(ニュンベルク裁判と東京裁判)で示された歴史観を踏襲した)、理想主義史観が幅をきかせてきました。日本の敗北は戦略・戦術の誤りではなく「倫理的に間違った戦争をしたから」であり、「日本が深く反省し、謝罪を行えば」戦争はなくなる、だから「憲法9条を守れ」という脳内お花畑歴史観です。

 しかし日本が反省と謝罪をすればするほど、周辺諸国は居丈高になり、平和が遠のいていくという現状を、私たちは今、目の当たりにしています。こういったお花畑歴史観、世界観を正すために、地政学は有効なのです。

「世界史で学べ! 地政学」

茂木 誠