· 

ニュートン力学の前提


法則と概念 基準系(座標系)の取り方 メモ

ニュートンの運動法則 

(力学法則)

第一法則 (慣性の法則)

慣性系に限定

力の働かない物体は静止状態(静止系)、または等速直線運動(慣性系)をずっとし続ける。静止系とは慣性系の一種であり、対象となる物体と座標系の相対速度がゼロとなる場合を指す。慣性系から物体を眺めることで、外力作用のない物体が静止、もしくは等速直線運動をし続ける様子から第一法則が成立していることが理解できる。

第二法則 (運動の法則)

物体に働く外力Fは、質量mに応じた加速度αを物体に与える。物体に外力が作用していないにも関わらず加速しているように見える座標系(加速度系を指す)の取り方もあり、この時、第二法則は成立しない。

なお第二法則で外力F=0とした時、加速度α=0(第一法則)となる。

第三法則 (作用・反作用の法則) 基準系に無関係  
万有引力の法則  
ガリレイの相対性原理 - ニュートン力学の法則が成立する慣性系に存在する物体は、静止しているか、等速直線運動をしている。慣性系は無数に存在するが、慣性系である以上、あらゆる慣性系でニュートン力学の法則は全く同等に働くとする考え方、これをガリレイの相対性原理と呼び、ニュートン力学の基礎となっている。
加速度の概念 慣性系に限定 ベクトル量である加速度αは、物体の速度の増減及び方向の変化に関係する。物体へ及ぼす外力作用により加速度が変化する場合、物体の速度増減に利用されるか、物体の方向転換に利用されるか、両者の配分を意識する必要がある。
時間の概念

絶対時間

(絶対的な同時刻性)

基準系に無関係

※宇宙固有の量

ニュートン力学に含まれる時間とは絶対時間である。宇宙のどの場所でも、あらゆる物体の運動状態とは無関係に、永遠に一様に流れる真の時間(絶対時間)の存在を想定する。またある出来事の発生は、観測者の立場によらず同時であり、絶対的な同時刻性を想定する。

絶対時間の概念は、我々の常識と一致し、受け入れやすい。

空間の概念 絶対空間    

質量の概念

絶対質量(静止質量)

基準系に無関係

※物体固有の量

ニュートン力学で扱う質量は静止系で測定される静止質量であり、物体固有の絶対的な値である。相対速度によって変化される値ではない。

  重力質量 万有引力により測定される質量
  慣性質量 第二法則により測定される質量