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年表_発明/普及_20-Q1


■20世紀第1四半世紀 (1901-1925)

西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1901 グリエルモ・マルコーニ イタリア 大西洋横断無線通信の成功

イギリス最南端コンウォール半島のポルデュに接地型の火花放電式送信機を建設し、大西洋を隔てて約3400km離れたカナダのニューファンドランド島で受信することに成功。

※3400kmは、月の直系、日本列島の長さに相当。

当時の学者は、電波は波打ちながら直進するとし、地球の裏側どころか、数百kmほどの距離でも通信は不可能と考えたため、アカデミック界の反応は冷淡だった。但し一部の学者は実験成功を支持し、上空に電波を反射する何か(1924年に発見される電離層)が存在するからだ、と考えた。

1902   イギリス 太平洋横断海底ケーブルの敷設

イギリスは太平洋横断海底ケーブルの敷設を完了し、オーストラリアやニュージーランドまで繋がった。イギリスは当時の植民地を包括する通信網を構築。1901年頃の海底ケーブル網を見ると、世界各地の情報はイギリスに集まる構造が見て取れる。

なお実用可能な大西洋横断海底ケーブルは1866年に敷設され、太平洋横断海底ケーブルの敷設着手は1878年からだった。

1903        
1904  

日本

ロシア

日露戦争、開始

日本政府は2月4日に御前会議にて日露国交断絶を決定、6日にロシアに通知。

日本政府は金子堅太郎をアメリカに派遣し、セオドア・ルーズベルト大統領と面談して、アメリカの理解と協力を取り付けていた。

1905 岩鼻火薬製造所 日本 国産ダイナマイトの製造  
西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1906 レジナルド・フェッセンデン カナダ

無線電話(放送)実験の成功

電線で音声を送れるならば、無線で音声を送ることも可能ではないか、と考える科学者・技術者が現われた。電気工学者フェッセンデンは1906年に米マサチューセッツ州ブラント・ロックと英スコットランドのマックリアニッシュの間の4800kmの無線電話実験に成功。
1907        
1908 リー・ド・フォレスト  アメリカ パリでラジオ音楽放送に成功 1908年、フランスに渡ったフォレストは、パリのエッフェル塔に出力を上げた送信機を設置して、蓄音機からの音楽を放送することに成功。放送は西ヨーロッパ全域で聴取でき、その距離は800kmに及んだという。
1909        
1910 リー・ド・フォレスト アメリカ 本格的なラジオ中継放送 1910年1月20日、フォレストは無線を用いたグランド・オペラの中継を行った。2本のマイクロフォンで舞台を収録して中継。この中継放送を聴取したリスナーは50名ほどいたという。
西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1911        
1912 ホワイト・スター・ライン イギリス

タイタニック号、沈没

1912年4月10日に処女航海に出たタイタニック号は、4月14日、暖冬の影響で大量に発生した氷山に衝突し、カナダのニューファンドランド島沖で沈没。タイタニック号の通信士はマルコーニ無線装置が故障して修理に7時間かかり、その夜は山積した送信するべき電報の打電で忙しかった。氷河に注意せよ…というカリフォルニアン号からの電報も受け取る余裕はなく、タイタニック号は氷河に衝突した。遭難信号としてのSOSを打電したのはタイタニック号が世界初。
1912

フリッツ・ハーバー

カール・ボッシュ

ドイツ

ドイツ

ハーバー=ボッシュ法

(アンモニアの工業的製法)

ハーバーによるアンモニア合成(1909年)の成功後、BASF社(Badische Anilin und Soda Fabrik)の援助(特許の買い取り)を受けてボッシュと共に工業化の研究を継続。1912年にアンモニアの工業的製法(ハーバー=ボッシュ法,HB法)を確立。翌年、日産10トンのアンモニア合成工場の運転が始まる。平時に水・石炭・空気からパンを、戦時には空気から火薬を作ると言われ、第一次世界大戦でドイツは必要な全火薬原料を国内で賄い、輸入(チリ硝石はイギリス管理下にあり入手経路が経たれた状態)に頼らずとも戦い続けることができた。

※100年以上たつ現在でも大型施設と電力を要するHB法はアンモニア製造の主流であるが、より低温・低圧で製造可能な触媒開発が進められている。

1913        
1914    

第一次世界大戦、開始

※1914年~1918年

大戦を通じて熱機関(エンジン)が進化。4サイクルエンジンの動弁方式がサイドバルブからOHV(オーバーヘッドバルブ)やOHC(オーバーヘッドカムシャフト)になり、圧縮率は平均5以下から7まで上昇。潜水艦等でディーゼンルエンジンが実用化され、末期には機械式過給も導入。
1915        
西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1916        
1917 フォード社 アメリカ

フォードソン・トラクターF型、上市

※機械農業の始まり

最初のエンジン式トラクターは1890年代にアメリカで開発された。その後普及に大きく貢献したのがアメリカ大手自動車メーカーのフォードが1917年に上市する「フォードソン・トラクターF型」であり、ライン生産方式による価格を大きく下げることに成功。第一次農業革命は馬・牛といった家畜に代わるこうした内燃機関によるトラクターの開発・普及による。

1918        
1919        
1920        
西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1921        
1922        
1923 ジョイコブ・シック アメリカ 電気カミソリ(シェーバー)の特許を取得  
1924        
1925   日本 日本初のラジオ放送