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年表_経済学/金融_20-Q2


■20世紀第2四半世紀(1926~1950)

西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1926        
1927        
1928        
1929 ニューヨーク証券取引所 アメリカ 暗黒の木曜日 10月24日、ニューヨーク証券取引所の株価が暴落。当初一時的な株価調整とする見方を裏切り、広範な株価暴落とデフレ心理の拡散を世界中に引き起こした。
1929

井上準之助

※大蔵大臣

日本

日本、金本位制への復帰決定

※昭和の金解禁

1920年代に苦労と倹約を重ね、日本経済の実力が貨幣法平価での金兌換を開始しても問題ない財政事情に至った。1929年11月21日に欧米に遅れて金本位制の復帰を決定し、翌年1月11日より実施した。
1930 アーヴィング・フィッシャー アメリカ フィッシャー方程式 金融取引は貨幣とモノ・サービス(物々交換のみの実物エコノミー)のいずれも考えられ、2種類の利子率(前者を名目金利、後者を自然利子率)を想定できる。(1+名目金利)=(1+自然利子率)×(1+物価上昇期待)で表され、3要素が大きくなければ名目金利=自然利子率+物価上昇期待となる。名目金利は中央銀行の金融政策で決まる一方、自然利子率は人口動態・技術開発など人類経済を支える基礎条件から決まる。
西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1931   ドイツ ドイツ、金本位を停止 7月に
1931   イギリス イギリス、金本位制を停止  9月に
1931

高橋是清

※大蔵大臣

日本 日本、金本位制を停止 12月に
1932        
1933        
1934        
1935 メリル・ベネット アメリカ 豊かさとデンプン質摂取量の関係

地理学者メリル・ベネットは、人間社会に共通の特徴として(料理、宗教上のタブー、嗜好の違いはあっても)人は豊かになるにつれてデンプン質(米・トウモロコシ・小麦・ジャガイモ等)の摂取量が減り、タンパク質(肉・卵・乳・チーズ等)の摂取量が増えると指摘した。

各国の人々の食生活レベルを知る指標として、食糧消費総カロリーに対する穀類とイモ類のカロリーの割合が有効であると提唱。

西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1936 ジョン・メイナード・ケインズ イギリス

書物『雇用・利子および貨幣の一般理論』

※マクロ経済学の創始

1929年10月の世界恐慌に対し、当時のミクロ経済学的な主流派経済学ではうまく説明できなかった。ケインズはマクロ経済学という新たな分野を切り開き、経済学にはミクロ経済学とマクロ経済学の2分野が存在すると考えられるようになった。

1937

       
1938        
1939

ジョセフ・シュンペーター

※経済学者

オーストリア

=ハンガリー

景気循環の理論  
1940        
西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1941        
1942

ジョセフ・シュンペーター

※経済学者

オーストリア

=ハンガリー

書物『資本主義、社会主義、民主主義』

創造的破壊の概念

 
1943        
1944

アメリカ

参加44ヵ国

アメリカ

ブレトン・ウッズ会議

(連合国通貨金融会議)

ブレトン・ウッズ協定に調印

→金ドル本位制の始まり

※アメリカ、世界の銀行となる

1944年7月1日~22日、アメリカ・ニューハンプシャー州の避暑地ブレトン・ウッズのマウント・ワシントン・ホテルで、戦後の通貨体制を巡る国際会議が開催。主宰国アメリカの議長は米財務長官ヘンリー・モーゲンソウ。参加国は44ヵ国、出席者数370名。金1トロイオンス(31.1g)が35ドルで交換する金ドル本位制が決定。大不況前の金本位制への回帰であり、参加国はその協定(ブレトン・ウッズ協定)に調印。基軸通貨を巡り米英の主導権争いと化し、ポンドとドルのいずれを戦後世界の主軸に据えるか議論された。イギリス代表は経済学者ジョン.M・ケインズ男爵、アメリカ代表が財務補佐官のハリー・D.ホワイト。決め手は、金兌換に耐えられる金保有量であり戦後、世界の75%の金を保有するアメリカに軍配が上がった。

1944

フォン・ノイマン

モルゲンシュテルン

  期待効用最大化原理  
1945        
西暦 人物・機関 出来事 (発見/発表/発明/現象) メモ
1946        
1947 ポール・サミュエルソン アメリカ

書物『経済分析の基礎』

※経済学における数学の活用

経済の動きを数学を使って解析した古典。経済学に数学を使うことがいかに重要かを証明した。

1948 ポール・サミュエルソン アメリカ

書物『経済学 入門的分析』

サミュエルソンは数理経済学の功績で1970年に経済学賞を受賞しているが、そもそも有名になるきっかけは教科書であった。本書は空前のベストセラーとなり、教科書業界の様相を一変させた。刊行以来、50年間で世界中で41ヵ国語に翻訳され、売り上げは400万部を超えた。教科書がこれほど記録的な売り上げを達成したのは初めてで、教科書が商売になることを出版者は学んだ。

1949

ジョン・グラパム

※経済史家

イギリス

書物『イギリス経済史概説』

産業革命の連続・楽観説

20世紀初頭、多くの経済史家はトインビーが指摘したような産業革命の断絶性や悲観説に懐疑的であった。グラパムによれば18世紀末に劇的な変化は認められず、むしろ16世紀の早期産業革命から連続的な経済成長が見られることを指摘。また実質賃金など統計では産業革命以前の牧歌的・調和的な社会などでは決してなく、むしろ貧困に満ちた社会であり、産業革命により生活水準は悪化しなかったと指摘。

産業革命の解釈としてトインビーの断絶・悲観説(古典的解釈)からグラパムの連続(緩慢)・楽観説の登場となる。

1950

ジョセフ・シュンペーター

※経済学者

オーストリア

=ハンガリー

書物『景気循環論』 イギリスでは過去に少なくとも5度の産業革命が存在したし、トインビーの指す古典的な産業革命は、その前後にある2度の産業革命に挟まれた期間であると指摘。