カメラ撮影_撮影機材_111:カメラ本体_カメラボディ購入の判断基準


■カメラボディ購入の判断基準_20180701

 デジカメ購入の際の着眼点と、私が選んだ選択結果を整理した。※2018年7月時点の判断なのでご参考まで。

デジカメ購入の着眼点 ①カメラシステム ②撮像素子サイズ ③メーカー選択 ④新品か中古か ⑤新旧・ランク
私の選択結果 一眼レフデジカメ フルサイズ ニコン 新品

最低ランクの型落ち品

(Nikon D610)

参考:非選択の選択肢

レンズ交換式カメラ

ではミラーレス一眼

ASP-Cサイズ、

マイクロフォーサーズ

キヤノン、ソニーなど

中古

より最新の機種

よりランクの高い機種

■着眼点①:カメラシステム

 私の主目的は望遠レンズでの撮影(圧縮した絵作り)であり、レンズ交換式のデジカメが検討対象となった。レンズ交換式デジカメには「一眼レフ」と「ミラーレス一眼」があり、「一眼レフ」を選んだ理由は以下の通り。

理由 説明

枯れた技術 (練度の高い技術)

一眼レフは完成されて久しく、廉価な型落ち品(2010年代序盤に発売)でも品質が高い。

一方、ミラーレス一眼はまだ発展途上中であり、廉価版へ技術転用するほどの余裕と技術蓄積に乏しい。

相対的に低価格

撮像素子サイズをフルサイズに決めると廉価品がある一眼レフに選択肢は絞られる。

※ミラーレス一眼はようやく各社(ニコンは2018年9月キヤノンは2018年10月)がフルサイズのフラッグシップモデルを生産開始し、非常に高価格。

交換レンズの品揃え 歴史が古いとレンズ資産も充実しており、性能と価格を天秤にかけられるだけ選択肢がある。中古市場も発達している。

■着眼点②:撮像素子(イメージセンサー)のサイズ

 レンズ交換式デジカメの撮像素子サイズは大きい順に「フルサイズ」、「APS-Cサイズ」、「マイクロフォーサーズ」が三つである。

撮像素子のサイズ

対応カメラシステム

概要 参考リンク
 フルサイズ

一眼レフ

and

ミラーレス一眼

面積が広く高感度だが高価、約36㎜×約24㎜=約864㎟

※APS-Cサイズの2.2倍の面積

・キヤノン

・ニコン

APS-Cサイズ

Advanced Photo Systemの略、約24㎜×約16㎜=約384㎟

マイクロフォーサーズ

(4/3型)

ミラーレス一眼

約17.3㎜×約13㎜=約225㎟

・オリンパス

・パナソニック

 一般にカメラの撮像素子サイズはマウント(カメラとレンズの接合部)の規格と対応し、マウント規格を同じくするカメラ本体と交換レンズを用意しなければ使えない。ここで"使えない"という意味は2通りあり、一つはカメラ本体と交換レンズをマウント接続できないという意味、もう一つはマウント接続し撮影可能ではあるが撮影画像の端が一部切れる(ケラレの発生)という意味だ。

 ニコンの撮像素子、マウント、対応交換レンズの対応を整理した表を以下に示す。ニコンの一眼レフのマウントは撮像素子サイズ(フルサイズ及びAPS-Cサイズ)に関係なく同じ規格(ニコンFマウント)なのでマウント接合できない意味での使えない状況にはならない。通常、一眼レフとミラーレス一眼ではマウント規格が異なり、利用可能レンズも互換性はないと考えてよい。但し、別売りのマウントアダプターを使えば、それを介して保有する一眼レフ対応レンズをミラーレス一眼でも利用できる。

カメラシステム

撮像素子のサイズ

マウント規格(ニコンの場合)

利用可能な交換レンズ(ニコンの場合)

撮影画像

一眼レフ

 フルサイズ(ニコンFXフォーマット)

ニコンFマウント

FマウントFXフォーマット対応レンズ

問題なし

FマウントDXフォーマット対応レンズ

ケラレ発生

APS-Cサイズ(ニコンDXフォーマット)

FマウントFXフォーマット対応レンズ

問題なし

FマウントDXフォーマット対応レンズ 問題なし

ミラーレス一眼

フルサイズ(ニコンFXフォーマット)

ニコンZマウント ZマウントFXフォーマット対応レンズ 問題なし

APS-Cサイズ

- - -

 カメラ本体及び交換レンズの費用が嵩むものの、「フルサイズ」の一眼レフデジカメを選んだ理由は以下の通り。

理由 説明
最高を知る 初心者はAPS-Cサイズを選ぶと言われるが、いずれどうせ買うつもりなら最初からフルサイズを買う。 
高感度

撮像素子の面積が大きい分、暗所でも高感度となり、ダナミックレンジ(1枚の写真で表現可能な明暗の最小値と最大値のレンジ)が広い。

※但し、古いフルサイズ機種と新しいAPS-Cサイズ機種を比べた場合、センサー技術の世代交代などで後者が勝る可能性がある。

広角に強い 撮像素子の面積が広いことは、同じレンズの焦点距離で撮影するとより広角寄りの絵が撮れる。また望遠寄りの絵は、望遠レンズの使用や画像加工(トリミング)でいくらでも作ることができる。一方、撮像素子の面積が小さいカメラでは、広角寄りの絵作りには限界がある。大は小を兼ねるという意味で撮像素子の面積が広いカメラの方が有利である。

レンズ資産の

有効活用

フルサイズカメラ機種を買えば当然、フルサイズ対応レンズを買って各種揃えることになる。フルサイズ対応レンズはニコンの場合、APS-Cサイズカメラ機種にも支障なく利用できることから、仮に後にAPS-Cサイズカメラ機種を買った場合、既に保有するフルサイズ対応レンズを活用できる。

搭載機能の充実 フルサイズカメラ機種はたとえ廉価版でも各種機能が充実している。例えば、三脚撮影時の僅かなブレ防止にも役立つミラーアップ撮影機能など。

 補足ですが、フルサイズカメラ機種の場合はレンズ鏡筒部に記載される焦点距離の表示をそのままの意味で解釈してよい。APS-Cサイズカメラ機種の場合はレンズ鏡筒部に記載される焦点距離を1.5倍(フルサイズ換算と呼ぶ)したものが実際の画角と対応する焦点距離である。

■着眼点③:メーカー選び

 厳密には各メーカーで細かな得意不得意があるのでしょうが(例えばソニーは発色が良いなど…)、正直私にはその個性が分からなかったので大手メーカーであれば性能や機能に大差はないと決め込んだ。大手メーカーの中でどれを選ぶかは、交換レンズ購入を念頭に決めたい。

 まず大手カメラメーカーはカメラ本体と同時にレンズも作っている。但し、通常そうした純正レンズは高価で、中古市場でも値下がりにくい。従って、初心者はカメラ本体を作らないレンズ製造専属メーカー(サードパーティと呼ぶ)の廉価なレンズを購入することが多い。ではサードパーティはどのカメラのレンズを優先的に製造するのか。やはりキヤノン、ニコン、ソニーのカメラを優先してレンズは作られる傾向がある。つまり一眼レフカメラを買うならキヤノンかニコンかの二者択一となります。※ミラーレス一眼ならソニーかなぁ。

 私はデザインとネーミングセンスからカメラ本体はニコン(Nikon)に決めた。ニコンには末永く事業継続してほしい。ちなみに日本製レンズのサードパーティとしては、タムロン(Tamron)シグマ(Sigma)が候補として考えられる。

■着眼点④:新品か中古品か

 カメラ本体は新品を選ぶか、もしくは中古を選ぶか。以下の理由で新品を選んだ。

理由 説明

精密機械は世代交代が速い 

カメラはセンサーと演算素子の複合物であり、PC同様に10年経てば性能に大きな開きが生じる。多少高くでも製造年が新しい機種を求めたい。最新機種でも中古はあるが、値引き幅が小さく中古機を買う価格上のインセンティブは低い。

新品型落ちは割安

世代交代が速い裏返しとして、新製品の登場により型落ちした前世代機種(2-3年前の機種)は、たとえ新品であっても価格が30-40%OFFとなり割安である。では中古市場はさらに割安かと言われるとそうでもないことが多い。

品質の安定性

新品であれば品質は申し分なく、保証も充実している。中古市場での購入に伴う初期不良リスクは避けられる。

中古市場は割安でない

カメラ本体に限って言えば、中古市場は総じて割安な印象はない。またそもそも型落ち新品が十分に安くお求めやすい。中古市場の利用は、新製品の値段が高いため前世代機種を選ぼうと思ったが、生産中止などで新品が既にない場合だろう。

 余談であるが、カメラ本体の中古市場にはそこまで魅力を感じなかったが、交換レンズの中古市場は何度か利用した。その理由は以下のように整理できる。

理由 説明

求める性能のレンズが

近年発売されていない

レンズ性能の条件(焦点距離など)を限定していくと結構昔に発売された(既に生産中止の)レンズ以外選択肢がない場合がある。例えば、2003年発売のTamronの180mmの望遠マクロ単焦点レンズに近いものは最近出ておらず、新品もないため中古市場でしか調達できない。
古くとも光学性能は高い

カメラは消耗品、レンズは資産と言われるように、レンズは古くても本質的な光学性能(ハード面での描写能力)は高く、新製品だからといって飛躍的に向上するものでもない。但し、古いレンズではソフト面での機能がかなり劣るので留意したい。例えば、古いレンズでは光学性能(ハード面)以外の快適な撮影を補助するオートフォーカス機能(AF)や手振れ補正機能がない、もしくは弱い。

■着眼点⑤:新旧とランク

 着眼点として世代が古く(型落ち品)、ランクの低い(言い換えればビギナー向け)の機種が価格的には最も安い。ここでフルサイズ機に限定するとフルサイズ機種間にもランクがあり、ニコンのD610はここ10年以内(2010年以降)に発売されたフルサイズ機種の中で最も低いランクである。

 2018年7月1日、約2週間の調査期間を経て、Nikon製のフルサイズ(NikonではFXフォーマットと呼ぶ)のデジタル一眼レフカメラの中で最安値の機種であったD610の新品を101,978円でネット購入した。ほぼ同型のD600は過去にリコール(撮像素子にゴミが付着する初期不良対応)があったので、その改善後のバージョンがD610のようだ。

■最後に…高価な上位機種では何ができるか?

 最後に、より高価な上位機種(最上位機種はフラッグシップ機と呼ばれる)では一体何か違うのか…を整理する。

上位機種の特徴 説明
最先端技術が投入 画像処理エンジン、撮像素子、手振れ補正機能など最先端技術が惜しみなく投入される。そこで得られた技術的知見は後に廉価版カメラ開発へと性能とコストを抑えつつ技術転用される。

シャッター速度とISO感度

の上限が高い

一眼レフカメラとしては非フラッグシップ機では1/4000秒がシャッター速度の上限ですが、フラッグシップ機では1/8000秒である。またISO感度の上限も高い。

※ミラーレス一眼では機械式駆動機構がなく電子シャッターのため非フラッグシップ機でも1/16000秒に設定可能。

性能特化型(非バランス型)

廉価版では撮影条件のバランスを重視したカメラが多いが、最上位機種では一部の性能に特化したラインナップが揃えられている。

ソニーのミラーレス一眼のラインナップが分かりやすい。

①高速シャッター・高速連写に特化した機種

②高画質(高画素数)に特化した機種

③高感度(高ダイナミック・レンジ)に特化した機種

オートフォーカス性能

測距点(ピント調整に利用するポイント)が画面一杯に張り巡らされている。

追記:20201005

 2020年7月にスマホをiPhone SEに買い替えた。カメラはスマホで十分という意見もあるが、私の個人的見解を示す。スマホの場合、拡大するとノイズが結構目立つため、絵の一部を拡大すること前提の撮影だと不満である。メモ程度の風景撮影くらいなら十分だろうと思う。