②-4:1型ミラーレス一眼カメラの購入


■Nikon製のNikon 1 S1の購入_20190714

 2019年7月9日、レンズ交換式のミラーレス一眼(1型)であるNikon 1 S1(ボディ:white)の中古品をネット購入(カメラのキタムラ)しました。こちらはNikonが2011年~2015年までに販売したNikon 1シリーズのうち2013年に発売したビギナー向け商品です(wikiはこちら)。Nikon 1シリーズは"レンズ交換式ミラーレス一眼カメラ"ですが、当時の呼称は"レンズ交換式アドバンスドカメラ"でした。

 今回、カメラ本体(Nikon 1 S1)は、標準ズームレンズ(1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6)とセット販売(標準ズームレンズキット)を選択し、その中古購入価格は15,680円でした。価格の内訳は、カメラ本体が9000円弱、標準ズームレンズは7000円弱と推定されます。

Nikon 1 S1と箱。

Nikon 1 S1の正面。ボディキャップを外した状態。

ミラーレス一眼なので、撮像素子が直接見えます。

Nikon 1 S1の背面。


 Nikon 1 S1の正面には、ミラーレス一眼機であるためレンズを外すと"1型イメージセンサー"が直接見られます。ちなみに、中古購入だったためか、カメラ側のマウント部を塞ぐキャップ(ボディキャップ)はありませんでした。付属レンズにはフロントキャップもリアキャップもありました。なおマニュアル書はありませんでしたが、それはこちらでいつでも確認できるので問題ないです。

 使用するバッテリーは、Li-ionリチャージャブルバッテリー (EN-EL20)です。

バッテリー(EN-EL20)とカメラ

バッテリー(EN-EL20):正面

バッテリー(EN-EL20):裏面


■Nikon 1 S1のボディキャップの購入_20190720

 2019年7月18日、Nikon 1 S1専用のボディキャップ(BF-N1000)を271円でネット購入しました。

Nikon 1 S1のボディキャップ:BF-N1000

Nikon 1 S1にボディキャップ(BF-N1000)を装着した状態


■Nikon 1 S1の主な仕様

 Nikon 1シリーズNikon 1 S1の主な仕様は以下の通り。

項目 概要
発売日 2013年2月7日
型式

レンズ交換式デジカメ

※現在の、レンズ交換式ミラーレス一眼デジカメに相当

画像処理エンジン EXPEED 3A
レンズマウント ニコン1マウント

撮像素子

(イメージセンサー)

1型

※13.2㎜×8.8㎜サイズCMOSセンサー、ニコンCXフォーマット

有効画素数 1011万画素
総画素数 -
実撮影画角

レンズ鏡筒部記載の焦点距離の約2.7倍に相当(フルサイズ換算)

※例えば、レンズ鏡筒部記載の焦点距離400㎜ならば、1080㎜(対角画角にして約2.3°)に相当。

シャッター方式 電子シャッター
シャッター速度 1/16000秒(最速シャッター)~30秒、Bulb
連射速度 秒間5コマ、秒間15コマ、秒間30コマ、秒間60コマ
ISO感度 100~6400

記録媒体

(SDカード)

SD、SDHC、SDXC
記録フォーマット JPEG/RAW
画質モード RAW12ビット
重量 197g(カメラ本体のみ)、240g(バッテリーとSDカード込み)

■Nikon 1 S1の購入動機について

 今回、本商品を購入した理由は以下の通りです。

動機 概要

携帯性の高い

交換式デジカメ

スマホカメラよりも高性能・軽量のレンズ交換式カメラを交換レンズを含めて2万円弱で揃えたい。

できればカメラボディとレンズの外観が白色であること。

レンズ資産の活用 既存のNikonのFマウント対応レンズを利用するため、購入カメラもNikon製にする。マウントアダプターにより既存のFマウント対応レンズの利用可能。
望遠寄りの撮影 撮像素子が小さいためフルサイズ換算の焦点距離は伸びる。2160㎜(=400㎜×2倍テレコン×2.7倍)(対角画角:1.15°)が可能。
水中撮影を実現

水中撮影用の専用ケースを利用して水中撮影が可能になる。

ウォータープルーフケース(Nikon製のWP-N2)により可能になる。

高速シャッターと

高速連写

ミラーレス一眼による電子シャッターでは最速シャッターが1/16000秒、最速連射回数が60コマ/秒を実現可能。

 単に携帯性だけでなく、既存の一眼レフでは実現できない特殊な撮影を実現するためにNikon 1 S1を選択した。

 水中撮影について触れると、Nikon WP-N2(Nikon 1 S1とNikon 1 J3が対応)がヨドバシカメラで新品が低価格(定価79920円に対して13410円(83%OFF))で販売されていたことを見越し、Nikon 1 S1の中古品(15,680円)が購入対象となりました。できればレンズセットでホワイトのNikon 1 J3があれば良かったですが、中古市場では良いものがなかった。

 最近の高画質・複数カメラ搭載・耐水性のスマホでもいいじゃないか…と思われるが、それは8万円前後する。ただ購入して思うのは、撮像素子と画像処理エンジンの世代格差によって、画質はスマホに負けていると思う。有効画素数も1000万画素程度は低いと思う。そうして点は、レンズ交換で補う他ない。


■1型(CXフォーマット)の撮像素子

 初購入となるミラーレス一眼機のレンズマウントの奥に1型(CXフォーマット)の撮像素子が直接見え、見る角度で緑色~赤紫色に変化します。

1型(CXフォーマット):正面

1型(CXフォーマット):斜め横


■Nikon 1 S1の仕様における比較・考察

(1)重量

 Nikon 1 S1が圧倒的に重量が軽い。

ニコンのカメラ機種 カメラシステム 撮像素子サイズ 本体重量
Nikon D610 一眼レフ フルサイズ(ニコンFXフォーマット) 760g
Nikon D7200 APS-C(ニコンDXフォーマット) 675g
Nikon 1 S1 ミラーレス一眼 1型(ニコンCXフォーマット) 197g

 Nikon 1 S1が軽量な理由は、撮像素子サイズが小さくて全体的にコンパクト化できる点と、一眼レフで必要な機構(ミラーや光学ファインダー)が不要な点である。

(2)画像処理エンジン

 画像処理エンジンはカメラのランクというよりは製造年に依存します。カメラのランクに関係なく、その時に使える最新鋭の画像処理エンジンは利用される傾向が見られます。

ニコンのカメラ機種 製造年月日 画像処理エンジン ランク
Nikon D610 2013年10月19日 EXPEED3 フルサイズでは最低
Nikon D7200 2015年3月19日 EXPEED4 APS-Cでは準上位
Nikon 1 S1 2013年2月7日 EXPEED3A 1型では標準
Nikon 1 J5 2015年4月23日 EXPEED5A 1型では標準

(3)レンズマウント

 Nikonには以下の複数のマウント規格があります。マウント規格はカメラボディへのレンズ装着における互換性を意味します。

 

ニコンのマウント規格 概要
ニコンFマウント 

一眼レフカメラに共通の規格。

フルサイズ(FXフォーマット)機とAPS-Cサイズ(DXフォーマット)機で同じ。

ニコンZマウント

ミラーレス一眼カメラの規格。

現時点ではフルサイズ(FXフォーマット)機の規格。

ニコン1マウント

ミラーレス一眼カメラの規格。

1型(CXフォーマット)機(Nikon 1シリーズ)の規格。

(4)有効画素数

 カメラの性能評価軸として①高画質化、②高感度化、③連写性能がある。有効画素数の多寡は、これらの評価軸によって良くも悪くも働き、評価軸間にはトレードオフ関係も見られる。以下のように整理する。

カメラ性能の評価軸 高画質化 高感度化 連写性能
撮像素子サイズ より大きく より大きく  より小さく
有効画素数 より大きく より小さく より小さく
最大ISO感度 低くてよい より大きく -
画像処理エンジン - - より高性能

 カメラの売りポイントとして有効画素数は「●●万画素」というように、その大きさを誇った広告が行われます。これは高画質化に貢献するが、高感度化には不利となります。高感度とは、1画素を生み出すための採光面積を多く割くことを意味し、有効画素数が少ないほどより短時間に、より暗所でも明暗を分けることができます。

 連写性能は、1秒間に何回撮影可能かを表し、一枚一枚の画像データが小さいほど、画像処理エンジンの性能が高いほど良いです。有効画素数は小さい方が画像データが小さくなり、連写中にデータ未処理量が蓄積せず、高速連写が可能になります。

 保有するニコン製デジカメの各スペックを比較します。

保有するニコン製デジカメ Nikon D610 Nikon D7200 Nikon 1 S1
カメラシステム 一眼レフ ミラーレス一眼
撮像素子サイズ フルサイズ APS-C 1型
有効画素数 2426万画素 2416万画素 1011万画素
画像処理エンジン EXPEED 3 EXPEED 4 EXPEED 3A
最大ISO感度 6400 25600 6400
最速シャッター 1/4000秒 1/8000秒 1/16000秒
最大連写速度 6回/秒 6-7回/秒 60回/秒

 

 参考に、ソニーのフルサイズ・ミラーレス一眼であるアルファシリーズで比較します。

ソニー製ミラーレス一眼

(αシリーズ)

高画質

追求型

高感度

追求型

高速連写

追求型

バランス型

機種名 α7R IV α7S II α9 II α7 III

撮像素子サイズ 

(検出素子)

フルサイズ

(ExmorR(エクスモア) CMOSセンサー)

有効画素数 6100万 1220万 2420万 2420万
画像処理エンジン BIONZ X (ビオンズ エックス)

最大ISO感度

(拡張後最大ISO感度)

32000

(102400)

102400

(409600)

51200

(204800)

51200

(204800)

最速シャッター

1/8000秒

1/8000秒

1/32000秒

1/8000秒

最大連写速度 10回/秒 5回/秒 20回/秒 10回/秒

(5)撮像素子サイズ

 スマホカメラやコンデジ(コンパクトデジカメ、レンズ一体式デジカメ)と、一眼レフやミラーレス一眼の違いを説明する際には、以下の①と②が主な違いです。

①レンズ交換式かレンズ一体式かで区別

②搭載される撮像素子サイズの大きさで区別

撮像素子サイズ

面積

(㎜^2)

対フルサイズ

での面積倍率

機種
レンズ交換式 レンズ一体式
フルサイズ 約864 1.00倍

一眼レフ

and

ミラーレス一眼

-
APS-C (Nikon) 約373 0.43倍 -
APS-C (Canon) 約332 0.38倍 -
フォーサーズ(4/3型) 約225 0.260倍 ミラーレス一眼 -
1型 約116 0.134倍 ミラーレス一眼 高級コンデジ
1/2.3型 約29.1 0.034倍 - コンデジ
1/2.5型 約24.5 0.028倍 - スマホの広角カメラ
1/3型 約17.3 0.020倍 - スマホのカメラ

 以上のように、Nikon 1シリーズの撮像素子サイズは1型なので、スマホカメラよりも約4~5倍、通常のコンデジよりも約3倍ほど面積が広い。一方で、一眼レフやミラーレス一眼の主流であるフルサイズ・APS-C・フォーサーズと比べると、それなりに差があることが分かります。

(6)最速シャッターと連写性能

 保有する一眼デジカメとフラッグシップ機の高速シャッターと連写性能を比較します。

機種名 製造年 カメラシステム ランク

シャッター

機構

最速

シャッター

(秒)

最速

連写

(毎秒)

Nikon D610 2013

フルサイズ

一眼レフ

入門  機械式 1/4000 6回
Nikon D850 2017 最上 1/8000 9回
Nikon D7200 2015

APS-C

一眼レフ

準上 1/8000 7回
Nikon D500 2016 最上 1/8000 10回
Nikon 1 S1 2013

1型

ミラーレス一眼

入門 電子式 1/16000 60回

 最速シャッターはシャッター機構で大差があり、機械式の一眼レフでは1/8000秒が上限で、物理的な駆動部分のない電子式だと1/8000秒以上が可能です。Nikon 1 S1が扱う撮影画像データが軽いこともあると思いますが、60回/秒は驚異的な数字です。


(7)実撮影画角

 通常、撮像素子サイズが小さいほど同じレンズを用いると望遠寄りに見える。交換レンズ鏡筒部に記載される焦点距離はフルサイズ基準であり、フルサイズ以外の撮像素子サイズを搭載するカメラでは、定数を乗じて焦点距離をフルサイズ換算して考えるのが慣例である。

  撮像素子サイズ
 フルサイズ APS-Cサイズ フォーサーズ(4/3型) 1型
レンズ鏡筒部記載の焦点距離に乗じる定数 1倍

1.5倍 (Nikon)

1.6倍 (Canon)

2倍 2.7倍
例) 400mmの場合 フルサイズ換算焦点距離 400㎜

600㎜ (Nikon)

640㎜ (Canon)

800㎜ 1080㎜
実撮影画角 6.19°

4.13° (Nikon)

3.87° (Canon)

3.10° 2.30°