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ゲーム的動機付けと蔵書整理


■ゲーム的な動機付け

 2週間前、暇潰しのためにスマホにゲームアプリを順次10個程度インストールして、少しだけプレイしました。好きな雰囲気のゲームは、人里離れた森などで資源集めや狩りなどをヒッソリ、コツコツとやり、生活を少しずつ良くしていくゲームであり、日々のレベルアップが建設的?(笑)で楽しいです。しかし、完全にのめり込めるような世界観や雰囲気のゲームは少なく、数日後に飽きてきます。

 さて、スマホゲームは刹那的な面白みはありますが、振り返ってみると時間の使い方として"不毛感"はあります。しかし、ゲームにはある程度の退屈な作業でも続けられる"動機付け"として重要な仕組みがあることに気付きます。それは、①自動的な②ステータス表示(可視化)と③ステータスのセーブ機能です。

 ゲームにおけるモチベーション維持の秘訣は、そのゲーム独自性を除けば、①、②、③をプレイヤーが手間をかけずに勝手にしてくれていることです。このような"ゲーム的な動機付け"の仕組みを、現実の有意義な作業にも取り入れることは、物事の上達に不可欠なモチベーション維持に役立つでしょう。残念ながら現実世界はゲームとは異なり、①はなく、②、③を行うには手間をかける必要があります。②と③については、自分の場合にはホームページに記録することで全自動とはいかないまでも多少は効率的に行うことが可能でしょう。また、②については、成果や積み上げの可視化を自分の見やすい方法で一から作り上げるため、最初の構想は手間がかかるでしょう。

 

■蔵書整理術

 話は変わりますが、最近、蔵書(500冊以上はある?)を整理・削減して、もっと家賃(今は3LDK)を引き下げ、狭い部屋(2LDKとか)に引っ越したい…と感じています。例えば、同じ地域であっても3LDKから2LDKに引っ越せば、家賃を月5万円程度は削減でき、年間で60万円の削減になります。60万円あれば、現在の蔵書を現状の物価で一から再構築するのに十分な金額です。

 

 なぜ蔵書を捨てられないのか…と言えば、具体的には以下のような理由が思いつきます。

 

①そもそも将来的に売ることを見越した本(例えば、流行廃りのある娯楽本)を買っていないこと

 ※娯楽本とは漫画や小説を指しますが、卑下しているわけではないです。

  私は漫画・小説よりアニメ・ドラマ・映画という媒体を使い娯楽メディアを見ています。

② 読了後の本であっても自身の血肉(自分が即座に利用可能な、参照可能な状態)とはなっていないと感じていること

③ 興味があって買ったものの、今だに積読本(勝ったまま読まずに積んでいる本)となっている状態があること

④ 蔵書は時間をかけて作り上げた自身の興味を表す見取り図であり、それ自体が貴重な自分を形作る情報であること

 ※人生の終活のために、とある蔵書家が何万冊とある蔵書をトラックで一度に売却したという話があるが、トラックが去る姿を見て、

  喪失感によって膝から崩れ落ちたという。気持ちは分かりますが、結局、自分の血肉になしえなかった消化不良の証左だと思う。

⑤ 将来、本を執筆する際に、参考文献として使うために手元に持っておきたい。

 ※これは昔なら理解できるが、今、何万冊もの蔵書を作る本当に理由にはならない。今ならクラウド上にデータベース化し、

  必要に応じて検索し、現物が必要であればアマゾンで1000円以下(中古なら100円とか)で数日以内に取り寄せれば済みます。
  つまり、アマゾンが書庫という感覚になります。

 

 ②~⑤について比喩的に言えば、蒔いた種が根を張っているけど、まだ地上には大した木に成長していないし、果実も実っていない。そんな状態で、根こそぎ引っこ抜きたくない…という感じです。

 効率的に蔵書整理できれば、何も手元に現物(本)を保有せずとも同じ効果は得られると思います。今回、ゲームの仕組みを参考に、蔵書整理を一種の育成ゲームとして捉え、木の成長を見守れる方法を蔵書整理術として模索したいと思います。

 

■蔵書整理をゲーム感覚できるように

 自身のホームページ上に、以下のような蔵書リストのページを作成しました。

購読書 (1904~) :直近分から購読書をメモするためのリンク先

本棚-文系(過去分) :文系のカテゴリーに属する書籍を整理したリンク先

本棚-理系(過去分) :理系のカテゴリーに属する書籍を整理したリンク先

本棚-他(過去分) :文系・理系とも言い難いカテゴリーに属する書籍を整理したリンク先

読書-語彙リスト :本を読む中でこれは"いい表現だな…"と思った際に、自分専用辞書として整理されるリンク先

 

 さて、上記リンク先を作ってみて思うことは、

③については、ネットを介して明確に可視化でき、気軽に蔵書を一望できるので暇があればあの本を読もう…という心積もりになれました。家の本棚の場合、家に帰らないと保有内容をチェックできませんからね。

④については、自身の対応可能な分野がどの範囲なのかが、より明確になりました。また、この分野の知見がまだ足りないな…というのも分かり、次の本選びの参考になります。

⑤については、ネット上に作ったリンク先のメモだけで十分だということが言えそうです。むしろ、カテゴリー別に一目でどんな本があるか把握できるようになったので、テーマに合わせて関連する本だけを絞って取り出せます。現物だとたとえ本棚が充実していても、むしろこれは難しい。

 

190923_追記_蔵書整理中 (1)

 前回、ホームページ上にリンクページは作りましたが、汗をかく肉体労働も同時にする必要があります。

■保存用の段ボール6箱、売却用の段ボール2.5箱

 蔵書整理を土曜日(9/21)から開始し、三連休を使って半分くらい蔵書整理が終わりました。現在使ってる本棚や前回引っ越したままの段ボールの中から本を取り出し、不要な本を必要な本を判断しつつ、必要な残す本は新しい段ボールに詰め替えました。結果として、新規の段ボール6箱(ただし、完全に埋まっていない箱もあり)、売却用の段ボール2.5箱分が出来ました。

 


■保存用の段ボールへのラベリングと中身

 段ボールの上面にはカテゴリーを描いた付箋を貼り、どこに何があるかを確認しやすいようにしています。右の写真では、中身が結構スカスカです。


■優先順位が高く、箱から取り出している本

 現在、読もうと思っている本は、最近購入したものが多いです。上記のホームページ上のリンク先の表の右端の"状態"という項目が、〇のものが、箱から取り出してすぐに読める状態の本を指します。多くの本が▲となっており、これは優先順位が低く、箱にしまっている本です。そういった本でも自身のホームページを見れば、本の所在と状態がすぐに検索できるようにしたいと思っています。

 

蔵書は以下の3つに区別できそうだ。

①すぐに見れる状態の保有本:アクティベート(活性状態)

②押し入れに入れている保有本:インアクティベート(不活性状態)

③一度購入したが売却した非保有本:セパレイテッド(切り離し状態)

 

②は500冊が目安と考えると、①はその10%の50冊程度が上限だろう。

 

結局、今の自分が何を目的としているかによって、①も②もその中身は変化するものでして、何のために、どんな活動に活かすためにその本を持っているのか…ということが重要だと思います。私は小説を楽しめる人種ではなく(むしろ、他人の妄想をなぞるだけの読書は不快で、そういうのはアニメや動画で表現してほしい)、この世の仕組みの理解や解決策を求める読書しかできない人種ですので…そういう人種の意見です。

 


190928_追記_蔵書整理中 (2)

 この平日の間、少しずつ整理を進めました。まず、売却する本は、段ボール満杯で3箱分(書籍数は合計270冊)となります。

 本の買取サービスとして、家まで回収に来てもらえるネットオフを利用します。

■第一次売却:段ボール数と書籍の数

・1箱目(満載):90冊

・2箱目(満載):70冊

・3箱目(満載):110冊

以上、270冊

 

 こうして段ボールと眺めると、本の体積と冊数がなんとなく想像できるようになります。今の蔵書量(売却予定本込み)を直感で推定すると、600冊弱はありそうだ。1冊当たり800円(つまり、新書換算)と仮定すると、蔵書の再購入費用は48万円弱になろうかと思います。

 今回、売却予定の段ボール3箱(270冊)の購入金額は21.6万円(1冊800円想定)と推定されますが、多分、売却額は1万円もいかないと思います。というのも、ラインマーカーを引いていたり、書き込んでいる本も結構あるので…。

 

→2019年10月5日、売却額は4408円であることが判明しました。

 1冊換算で16.3円(=4408/270)くらい。

 

 最近、「蔵書の苦しみ」(岡崎武志 著)という本を購入して、作家である井上ひさし氏は、最終的に蔵書量が13万冊あったと書かれていました。作家ですので、何かを書こうとすれば前知識として関連書籍をありったけドンッと購入されるのでしょう。データベース化した効率的な管理が一層求められるようです。


■蔵書家レベル分け

 結局、蔵書整理術の結論は手放すこと、つまり、捨てるか、寄付するか、売ることになります。蔵書を手元から離す際に、何か喪失感が生まれないような整理術が重要になります。そういうのは蔵書を手放す段階に考えるのではなくて、日頃から考えて行動することになります。文筆家ならば、むしろ日常的な積極的な蔵書整理(必要な情報を必要なタイミングで即座に抽出できること)は作品の品質にも影響を与えるのだと思います。

蔵書家レベル

1

2 3 4 5
一言で言えば…

蔵書家の端くれ

蔵書整理術うんぬん

語れる上限目安

古書店を開ける

家一軒全部使えば

管理可能な上限目安

家全体が本で

埋め尽くされる

本の冊数  500冊~1000冊 ~5000冊 5000冊~10000冊 10000冊~20000冊 20000冊~

段ボール数

(1箱当たり100冊で換算)

5箱~10箱 ~50箱 50箱~100箱 100箱~200箱 200箱~

本の総重量

※新書本(250g/冊)換算

125kg~250kg ~1250kg 1250kg~2500kg 2500kg~5000kg 5000kg~

蔵書のために要する

スペース規模

1部屋の片隅

2部屋 3部屋以上 家一軒

家一軒では

足りない

蔵書の再構築金額

※現時点の物価水準で

ゼロから蔵書を再構築

する際の想定購入総額

※新書本(800円/冊)換算

40万円~80万円

~400万円

400万円~800万円 800万円~1600万円 1600万円~

10年後にレベル達成する

月次購入冊数ペース

4冊~8冊 ~42冊 42冊~84冊 84冊~167冊 167冊~

10年後にレベル達成する

月次購入金額ペース

3200円~6400円

~33600円 3.4万円~6.7万円 7.6万円~13.4万円 13.4万円~